六
移り行くあなたの朧な心に
私がそっと触れてみる
虚ろな心と裏腹に
頑なに閉ざしたあなたの心を
魔法の言葉で問いかけながら
心の小窓をそっと叩いてみる
霞ゆく過去の記憶を捨て去り
あなたが新たな指標を見いだせるよう
あなたの傍らでそっと魔法の言葉を囁きながら
あなたの感受性を揺り動かし続ける
憂いと迷いに満ちたあなたの心を
ほんの瞬間でも自由に向かって
羽ばたかせたくて
私はあなたの心の小窓を叩き続ける
私の魔法の言葉に呼応して開きかけた
あなたの心の小窓に暖かな希望の灯を燦々と照らし
あなたの朧な心の襞を紅く染めあげる
私の醸した音律を規範に希望の一声を上げるあなたへ
私が贈る最後の言葉「愛してる」
あなたはすでに自由を手に入れたことを自覚させるため
私が放つ言霊があなたの心に響き渡るその時を待って
私があなたの背中をそっと押す
もはや振り返ることなく歩みゆけ
愛しきあなたよ
五
貴女の感受性を揺り動かす魔法の言葉を
今私のこの口から解き放つことをお許し下さい
貴女の人生に幸多かれと願い
深き祈りを捧げ貴女を励まし続ける
私の振る舞いをお許し下さい
貴女は森羅万象のほんの欠けらを
その豊かな感受性で受け止め
貴女の己心にその真実を納めて以来
貴女の中に小さな蟠りを生んだ事を
私は感じ取ったのです
貴女自身の拠り所が変わったのではなく
貴女の生命自体が変革されたのです
生命の変革に貴女は戸惑い
一微塵も疑わなかった貴女の一生に私は触れました
貴女が如何なる苦難をも使命に変えていく術を
私が貴女に託すことをお許しになられたことで
私の中で生涯の宝として心の奥底に残り
今 尚唯一の希望の灯として燃え盛っています
もはや貴女の心は固い扉の影すら残さず取り払われ
自由への道をお開きになられたのです
貴女自身に戸惑いの心が芽生えたことは
確信を得るための瑞相にすぎません
生命の変革を実感した時の喜びを
共に分かち合うために
私は貴女に魔法の言葉をかけます
貴女は決して穢れて生まれてきたのではなく
貴女は決して生を受けた事で
罪深き懺悔の心に捉われるのではなく
純真無垢な生命を選ばれて持ち
生まれてきたことを無上の喜びとして
貴女は生きるべきではないでしょうか
貴女の生きる規範を変えることなく
無垢な生命を保ちゆくのです
種々の迷い苦しみが貴女自身を傷つけることなく
聡明に力強く生きるのです
貴女の生命に具わる仏の境涯を涌現させて生きるのです
貴女の心にある善の真心に私は触れました
私は貴女を心から信じます
四
心の小窓をそっと叩いてみる
静寂の中に置いてきぼりのあなたの心
心と体の不調和があなたを苦しめている
あなたの苦しみの根源は生命の奥底に沈む蟠り
あなたはあなたらしさを自覚できない愚かさを恥じている
そんなあなたの心の小窓をそっと叩き
響き渡る生命の音律を規範に生命の寛大さを推し量る
赫赫たるあなたの感受性を揺り動かすことが
私の使命であり私に出来る事
仮面の奥に押し込められたあなたらしさを気づきに導き
倒れぬ強き支えとなるべくして
私は誓願して生まれて来たのだから
いつでもあなたの傍らでそっと囁く魔法の言葉を
あなたの生命の根幹に触れさせるよう
私は心の小窓をそっと叩きながら
あなたに寄り添い共に歩むのだ
あなたが自分らしさに目覚めるその時を待ちながら
私はあなたに希望の種を蒔き続ける
あなたは今目覚めの時を迎えようとしている
そのことを誰より私が知っている
私は愛するあなたの唯一の支えなのだから
一人で迷うことなく 苦しむことなく
私の魔法の言葉で立ち上がれ