賢志のブログ

丸野賢志詩集

アンネの日記-2

アンネの日記-2  「アンネの日記」-日記帳  1942年6月20日 土曜日(前半)  
「日記をつけるなんて奇妙な思い付きです」(中略)「私自身にしても、又他の誰かにしても、13歳の女子中学生が心の内を告白したものなんかに、興味を持つとは思えないからです。」(中略)「心の奥底に埋もれているものを、洗いざらいさらけ出したいんです」  13歳ともなると思春期に入り、「自分探しの心の旅」を始め、様々な悩みや空想で頭が一杯になる事でしょう。この頃のアンネは、経済的、人間関係にも恵まれているにもかかわらず、心の問題を打ち明ける親友がいない事を嘆きます。そしてその葛藤を、日記として綴っていく事で、自分と向き合い始めました。ここから彼女の「自分探しの心の旅」は始まります。何も欠けていない生活の中に身を置いていながらも、彼女は本当の理解者がいない事に心が満たされず、孤独感を感じながら悶々とする日々。心と体が成長する過程の中で湧き上がる、将来への不安・無気力感が伺えます。又当時、ユダヤ系民族というだけで、偏見や差別が蔓延していた時代です。当然彼女の心の中に「どうやら人間って、おたがい同士、決して近づきあえないものみたい」とあるように、人種差別の問題が心に暗い影を落としていた事でしょう。 「アンネの日記」-日記帳  1942年6月20日 土曜日(後半)につづく

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