賢志のブログ

丸野賢志詩集

あなたへの手紙




愛するあなたへ 
  
 六
  深き祈りの果てにあなたの一生を見たり
 深き祈りの果てにあなたの一念を見たり


  生命とは妙であることを諭し
 瞬間瞬間の生命の輝きがあなたに戻ることを信じ
 今日も只管深き祈りを捧げ続ける


  絶え絶えに聞こえるあなたの心の叫びを
 我が使命の原動力とすると誓い
 あなたの一念を見据えてきた


 物事の始まりと終わりの悟りは
 あなたの一念に輝きが戻ったその時
  躍動する生命の内に開き顕れてくるのだ


 無垢な生命から昇華した証として
 無尽の愛を与え振舞うあなたに
 陸続と諸天の加護が齎されるであろう


  あなたの苦しみが大難・小難・無難へと
 変革していくことを信じ
 私と共に歩み続けるのだ


 愛するあなたへ


あなたへの手紙


 希望の轍をあなたの人生に見た
 その希望の礎とは
 あなたが望み歩んだ軌跡の中の確信
 私は分かっているよ
 かつて幼い日より体験した消せない記憶
 その記憶の奥底にあるさまざまな感情
 善き感情も悪しき感情もあなたのものだ
 双極のその感情を誰が咎められるだろう
 赫々と昇る陽があなたを照らし
 足元に長い影を落とすように
 何ら偽りのない摂理 実相なのだ


 健気に自分を責め続けるあなたよ
 如何様にしてこの大地に全ての恵みが
 齎らされているのか
 如何様にしてあなたがその恵みを受けているのか
 蒼穹を飛び交う鳥の群れを見てごらん
 一片のくもり無き眼であなたを見ている
 見てごらん私のこのくもりなき眼を
 私のこの目盲いた眼にも
 あなたの面影は鮮明に投影している
 自分から閉ざさなければ
 清らかなこの心の眼であの鳥の営みが見えるはずだ


 あなたはあなたでしかなく
 私は私でしかない
 他と比べて何の意味があるだろう
 あなたはあなたらしく
 その慈愛に満ちたあなたらしく
 胸を張れるよう私がいると確信出来るまで
 連れ添うことを私は誓う
 病める時も健やかなる時も


 愛するあなたへ

あなたへの手紙


  輝きに満ちていたあの頃を思い出して下さい
 些細な諍いに己を焦がすより
 他を想うあなたの優しさを思い出して下さい
 今は負の連鎖にもがき迷っておられる
 或いは拙きものに心奪われ
 悲嘆と葛藤を繰り返すうちに
 真心という大切な宝を見失っておられる
 真の幸福とは
 負の連鎖を断ち切り
 優しさに満ち溢れたあなたの心中に
 内在する善き規範に照らし合わせて
 己心に問いかけてゆくことから
 導き出されてくるのではないでしょうか
 この世のありとあらゆる苦悩 迷いから
 解き放たれ真の自由を手に入れることが
 今のあなたが目指す幸福なのではないでしょうか
 真の自由とは束縛から逃れて得るのではありません
 己心に纏綿する苦しみを乗り越えてこそ
 得られるかけがえのない宝「自由」を手に入れるのです
 あの蒼穹で飛び交う鳥の群れをご覧ください
 彼等が飛び交うのを見て自由なものと譬えられますが
 彼らは常に生死の局面と対峙し自分と闘っているのです
 又籠の中の鳥をご覧ください
 立派な両翼を持ちながら
 この広い台地の脅威 喜びを得るための営みを
 目の当たりにすることはありません
 即ち鳥として生まれたとしても自分の力を
 出し切れないこれこそが不幸
  自分に問いかけるべき課題なのではないでしょうか
 あなたはどちらの境遇を選ぶのか
 あなたが聡明な選択をし
 この課題を乗り越え
 真の自由 真の幸福を得られますよう
 深き祈りと 私の使命をあなたに捧げ続けます


  愛するあなたへ