賢志のブログ

丸野賢志詩集

心どこかに-14

今宵も宵の口を迎えて参りました
今宵は志向を変えて、レイ・チャールズのサウンドに聴き耳を立てながら
若かれし頃の夢に、浸って参りたいと思います  
思い起こす事20有余年、未だ大人の分別が付かぬ若者だった私
大学のキャンバスライフを満喫しながら、アルバイトを掛け持ちし
一つの夢を追っておりました
当時、大阪芸大の劇団「四季」が舞台芸能の脚光を浴びており
私もまたその虜になっていくのです
劇団「四季」に憧れる理由は、当時舞台監督のTさん夫妻との出会いから始まりました
私はその時18歳の夏を迎えていました
アルバイトで生計を立てていた私にとって 唯一の贅沢は、
喫茶dorumen(仮名)で マスターの奢りで頂く、玄米クッキーと恵比寿ビールでした
私が何より贅沢に感じていたのは
dorumenに集まるメンバ-との語らいでした
フリーライターのKさん、在日中国人マスターのH.Kさん
陶芸作家のYさん、舞台監督のTさん夫妻、某党議員等
匆々たるメンバーの集まる会合に参加する事で
世界の悲惨を始めて耳にしたのです
その時のお題は「アパルトヘイト」の問題から学ぶ
世界平和実現・世界の悲惨根絶に向けての様ざまな挑戦でした
先人を切って語り始めたのはマスターのH.Kさん
「純ちゃん(当時のニックネーム)!脚本書いてよ」
当時、英文学部でウィリアム・シェークスピアの「Sonet集」に学び
詩人を目指していた私に一つの転機が訪れたのです  
この続きは次回お伝えします
世界平和と一切衆生の幸福のために
南無妙法蓮華経 南無妙法蓮華経 南無妙法蓮華経
合掌

心どこかに-13

 今宵も夜が更けて参りました
今日もウィスキーグラスを片手に
雪見酒と洒落こもうではありませんか  
アンティーク小窓をそっと開けると
吐息が白く広がり 降雪に紛れて、ほのかな温かみを感じるこんな夜は
子供の頃の原風景に思いが向かいます
深々と降る雪の中、暖を求めて 只管に雪の小道を歩いて往きます
行き交う人の影もなく只一人で街灯を頼りに
只管家路に向かいます
新雪積もる雪の上に獣の小さな足跡が無数に広がり
右往左往した、真新しい足跡がそこにあります
狐や狸、鼬の群れなのでしょうか
大きい足跡の傍らで小さな足跡が後を追います
そこに紛れ私の小さな足跡が此の小道に深く刻まれて往きます
ほんの束の間の回想から現実に戻り
アロマキャンドルに火を灯すと
斜陽の如く机と花瓶の花束に長い影を落とします
今日も書きかけの原稿紙にペンを走らせながら
壮大な雪景色を思い浮かべます  
  広大無辺な大空に
     雪が深々舞う夜は  
         生命活動粛々と     
             内に秘めたる誓願を    
        見事果たさん祈りをば
     我が一念に刻みつつ  
  歩む足取り大地踏みしめ
  宵が明けつつ、朝焼けの気配が凛と澄み切った夜空に漂い始めました
静まり返ったこの部屋の灯りもいよいよ尽き果てようとしています
漂う心を一つに纏めるように、
今日も朝のお勤めに入ります
世界平和と一切衆生の幸福のために!
南無妙法蓮華経 南無妙法蓮華経 南無妙法蓮華経
合掌

心どこかに-12日目

  今宵も夜が耽って参りました
今日もウィスキーグラスを片手に
曇った小窓をそっと拭き深々と積もりゆく雪景色に心奪われます
風鳴りもやみ生命の営みも今は感じぬ雪野原
心静かにアロマ・キャンドルにそっと火を付けます
今宵もまた書きかけの原稿に目を通し
アロマキャンドルの香りが部屋の隅々に行きわたる頃
寒さしのぎにキャンドルの灯にそっと手を翳します
そっと小窓の外に目を配り
徒然なるままに、静かにペンを走らせます
  マッチ擦る  
  白く輝く雪景色   
   煙草目に沁む    
    そんな夜に     
     大樹覆いし積雪の     
    重み耐え抜く生命が   
   春の息吹を待ち望み  
  健気に綻ぶ蕾をば   
   そっと抱きとむ大慈悲を    
    影を落とさぬ母と見えたり
  夜が更けるにつれ、心の蟠りが雪景色と共に解け
周りの静寂を打ち破らんと、心の奥底から魂の叫びが
弥増して湧き上がってくるのです
いよいよ朝の間詰めが近づくにつれ
生命の新しい息吹を予見しつつ
旭日の燦々たる光景をこの目に焼きつけんと
窓際に席を移し数珠を両手に握りしめ
静寂をやぶり読経を始めます
南無妙法蓮華経 南無妙法蓮華経 南無妙法蓮華経
世界平和と一切衆生の幸福のために
合掌