賢志のブログ

丸野賢志詩集

あなたへの手紙-愛するあなたへ(連載)


 私があなたの虐げられた
 愛する真心をそっとすくい上げてさしあげます
 あなたは愛されることに不自由なく
 これまで生きてこられました
 愛する事と愛される事は
 あなたの振る舞い方で変わります
 あなたは一切衆生の幸福を祈り
 無上の慈悲で皆平等に
 欠けることの無い愛を分かち合ってまいりました
 そのあなたの心に蟠りを生んだ原因を
 そっと取り除いて差し上げられるのであれば
 私の御霊をあなたの聡明な頭上に捧げ
 諸天を揺り動かす程の祈りを納めて参ります
 あなたの心の扉をそっと叩いて
 飛び出してくるものを拾い集めてみると
 悩み・苦しみ・迷いが根本となる感情が
 法性の明鏡を曇らせていることが分かります
 あなたが何に悩み
何に苦しみ
何に迷っておられるのか
 魔法の言葉でそっと触れて差し上げたいのです
 私一人ではあなたの虐げられ閉ざした心を
 解き放つ術を持ち合わせておりません
 私にあなたの無上の愛をお与え下さいませ
 私の未完成な愛が触発される術を
 もうあなたは御存じな筈です
 私が無上の愛に目覚める為に必要な
 生命の輝きをあなたはお持ちなのです
 この宇宙の森羅万象の陰陽に魅せられ
 箍を外してしまった私の朧な感性を
 包み隠さずあなたの御城に献上し
 私の情熱で煮えたぎった生命の欠片を
 あなたの胸の内におしまい下さいませ
 私はあなたの悩みの欠片にほんの一瞬でも触れ
 あなたの涙を諸天の御座に捧げ続け
 あなたの清浄なる生命に永遠なる輝きを
 与える使命を誓願し続けました
 あなたの苦しみの欠片をほんの一瞬でも触れさせ給えと
 深き祈りを捧げ絶やしたことはありません
 私があなたの迷いの因果となっていることは
 私の不本意な生まれながらの業なのです
 あなたが三つの宿業を
 お一人で背負いになられたことが私の罪なのです
 どうか私の叩いた小窓からそっと
 芳しい愛の美酒を私の罪深き
 生命の欠片にお掛け下さいませ
 私が清浄な生命に昇華した姿を見せる事こそが
 私の唯一の贖罪なのです
 あなたを愛する私に魔法の言葉を唱えさせ給え

あなたへの手紙-愛するあなたへ(連載)


 貴女の箍を外す術を知らない私は
 貴女が貴女らしさを振舞う時を
 待っている
 貴女は貴女が思うより
 素晴らしい魅力を秘めている
 それを知っているのは私だけ
 貴女もまだ気づいていない事が哀しい
 貴女の傍らにそっと佇み
 愛の賛歌を詠い続けた私だからこそ
 心の奥底に埋もれた慈悲という名の
 愛のかたちを私はこの手でそっとすくい上げる
 なんて温かな感情なのだろう
 まるで生まれたての小鳥を抱くような
 温かく無垢で健気な生命活動が
 私の心を捉えて離さない
 その姿こそが貴女本来の姿なのだ
 頑なに押し込められた貴女の愛を
 心の小窓を叩くその人々に
 大いに振る舞いその人達を
 無上の愛で抱き受け止めるのだ
 そういう貴女が一番素敵な
 貴女らしさなのだから
 そんな貴女を私は愛してやまない

あなたへの手紙-愛するあなたへ(連載)


 頑なな貴女の心の小窓をそっと叩く
 赫々と昇る太陽の温もりを
 貴女に届けたくて
 蒼穹を飛び回る鳥たちの囀りを
 貴女に届けたくて
 試練の冬を乗り越え
 生き生きと芽吹く生命の息吹を
 貴女に届けたくて
 今日も貴女の心の小窓をそっと叩く
 そっと愛の言葉を囁き唱え
 無表情な仮面を貴女は脱ぎ去り
 微笑を浮かべて
 自由の園に降り立つことを夢見て
 愛の賛歌を捧げ続ける
 それが私の愛のかたち
 貴女に届けこの愛の詩