賢志のブログ

丸野賢志詩集

心どこかに-12日目

  今宵も夜が耽って参りました
今日もウィスキーグラスを片手に
曇った小窓をそっと拭き深々と積もりゆく雪景色に心奪われます
風鳴りもやみ生命の営みも今は感じぬ雪野原
心静かにアロマ・キャンドルにそっと火を付けます
今宵もまた書きかけの原稿に目を通し
アロマキャンドルの香りが部屋の隅々に行きわたる頃
寒さしのぎにキャンドルの灯にそっと手を翳します
そっと小窓の外に目を配り
徒然なるままに、静かにペンを走らせます
  マッチ擦る  
  白く輝く雪景色   
   煙草目に沁む    
    そんな夜に     
     大樹覆いし積雪の     
    重み耐え抜く生命が   
   春の息吹を待ち望み  
  健気に綻ぶ蕾をば   
   そっと抱きとむ大慈悲を    
    影を落とさぬ母と見えたり
  夜が更けるにつれ、心の蟠りが雪景色と共に解け
周りの静寂を打ち破らんと、心の奥底から魂の叫びが
弥増して湧き上がってくるのです
いよいよ朝の間詰めが近づくにつれ
生命の新しい息吹を予見しつつ
旭日の燦々たる光景をこの目に焼きつけんと
窓際に席を移し数珠を両手に握りしめ
静寂をやぶり読経を始めます
南無妙法蓮華経 南無妙法蓮華経 南無妙法蓮華経
世界平和と一切衆生の幸福のために
合掌

×

非ログインユーザーとして返信する