賢志のブログ

丸野賢志詩集

心の詩2

生命の詩

 むせび泣くあなたの哀しみに
 私はそっと手のひらを差し伸べる
 皆無に等しい哀しみの因果を辿ると
 無明という磨かぬ鏡がそこにある
 生と言い死ともいう苦しみは
 避けて通れぬ終始流転の宿命なのだ
  
 大宇宙の綺羅星もまた
 大いなる繁栄を万年齎し
 流星の如く散るのが定め
 砕け散った喜びと哀しみの欠片から
 無垢な生命が生まれるが故に
 表裏一体の陰陽は生まれながらの性と覚らん


 生ある者の性を輝く明鏡に翳してみると
 あなたの生命と私の生命は全て等しく
 凡夫の性と仏の性を脆き器に具え
 迷う時には凡夫の性として
 覚りし時には法性の生命と輝く


 深き哀しみを知るが故に
 慈悲の生命が輝き
 譬えなき喜びを知るが故に
 元初の使命を貫けるのだ


 あなたの使命を我見つけたり
 愛するあなたよ聡明な君よ
 迷うことなく開きゆけ
 愛するあなたへ

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